人口が減るということ

シッコ(Sicco)を見た

米国には皆保険制度がない。おおまかに言えば日本でいうところの国民健康保険がない。医療を必要とする人は民間営利保険会社の保険を購入するわけだが(保険がなければ全額負担)、保険会社としては保険給付をしない方が利益になる。当然の帰結として医療が必要な人のニーズを満たさないことにインセンティブが働く。
これに対する比較としてイギリス、フランス、キューバ、カナダのシステム(医療は無料サービス)が紹介されており、アメリカの医療環境が標準になっている人には目からうろこであった。
この映画を見終わったあとになんで日本も皆保険なのにこんなに窮屈なんだろうと思って調べてみたが、キューバを除く上掲の国は人口がこれからも増加していくことが予想されている国だった。
総務省統計局より

  • 人口予想推移(千人)
年代 日本 アメリ イギリス フランス カナダ
2000 126,926 284,154 58,670 59,278 30,689
2010 127,176 312,253 60,517 61,535 33,680
2020 122,735 338,427 62,491 62,954 36,441
2030 115,224 360,894 64,693 63,712 39,052
2040 105,695 379,544 66,060 63,787 41,129
2050 95,152 394,976 67,143 63,116 42,844

各国の医療システムを支えるメカニズムがどういったものかは調べていないが、やはり人口が増加していく国と人口が減っていく国とでは前提が違ってくることは火をみるより明らかかもしれない。